===VT-52フィラメント電圧の謎===
VT-52
は謎の多い球で、ちゃんとしたデータシートは見たことがありません。表形式になっているものでは渡辺直樹著『米国系真空管アンプのすべて』の「VT-52シングル3Wアンプ」のページに3つの動作例が載っています。そこには「VT-52フィラメント規格」として「WEC=7.0V 1.18A SYLVANIA,HYTRON,NATIONAL UNION=6.3V 1A 「プレート規格」として「Pp=15W」と記述されています。このVT-52のフィラメント電圧に関しては森川忠勇著『オーディオ真空管アンプ製作ブック』の「VT-52プッシュプルモノラルパワーアンプ」のところにかなりな分量を割いてVT-52のフィラメント電圧についての考察が述べられています。実際に数社のVT-52のIpの変化を計測して検証されています。結論は「WE VT-52 Ef=7V説はどう考えてもおかしいのではないか、といわざるを得ない」となっています。しかしながらなぜ昔から7V説があるのかについては未だ釈然としません。![]()
ところが、外国の「Tubes Asylum」という掲示板サイトの「VT52 datasheet」というところにFareasternElectricさん(日本の方)が投稿しておられる記事を見て納得がいきました。その文章を引用させていただきます。「VT-52 is aviation tube that works at 7V in the Air and 6.3V on the ground. SCR-183 transmitter is the first equipment employing VT-52 and oxide coated VT-25. These tubes were developed by Raytheon.」—VT-52は航空機用真空管で、SCR-183という送信機に使用され飛行機にも搭載されたので、飛行中は7V、地上では6.3Vと使い分けていたとの説明でした。これでフィラメントについての謎が解けました。電圧をあえて変化させて音の違いを楽しむかどうかは個人の嗜好でやればいいことだと判断しました。森川氏の記事にはWE VT-52の詳細なEp-Ip曲線も載っているのですが、標準的なVT-52ではないのが少し残念です。



























