1619ppアンプの製作(1) -回路と部品集めー

1999年の古い「ラジオ技術」誌をなんとなくみていたら、P&C主催のサウンドバトルという1619という真空管を使ったアンプの競作の記事が載っていました。

1619という真空管は直熱ビーム管でメタル管、フィラメントが2.5v、安価という興味をそそられる球です。読んですぐにこの球でアンプを作ってみたくなりました。

回路はP&Cの倉島さんが製作された回路をほとんどそのまま使用させていただくことにしました。

1619PPアンプ

※回路図中初段の6SN7のカソード抵抗値を33kと誤記していたので3.3kに訂正しました。

1.真空管

1619と5U4GBはいつもの通りアメリカから通信販売で購入しました。6SN7はストックもありましたが念のためにヤフオクで4本落札しました。

アメリカから来た1619は外箱もばらばらなら中身もばらばらでしたが、特性を測定してみるとなんとかプッシュプルのペアが組めそうでした。

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2.トランス

電源トランスはTANGOのMX280を使いたかったのですが製造中止(ISOが廃業)ということで入手がかなり困難になったので、ノグチトランスのPMC-283Mを使用することにしました。

出力トランスとチョークトランスは以前にアメリカから取り寄せていたEDCORのCXPP30-MS-6.6KとCXC125-10H-200mAを使うことにしました。チョークの許容電流がぎりぎりなのが不安ですがそのまま使用して様子をみることにしました。

入力トランスはTRW(UTC)O-4がちょうどよさそうなので使ってみることにしました。

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3.シャーシ及び小物部品

シャーシはちょうどヤフオクで手ごろは穴なしシャーシが出品されていたのでそれを落札しました。小さな穴はドリル、大きな穴はホールソーで比較的簡単にあけられるのですが、12mm位の穴をあけるのに苦労しました。また電源トランスの角穴はいつも非常に苦労してあけていましたが、今回はディスクサンダーを使ってあけてみることにしました。確かに時間的、労力的には少なくて楽にあけられたのですが、ディスクサンダーの強力な回転力にかなりの力を入れてサンダーとシャーシを保持していないとサンダー本体が振られてヒヤッとすることが結構ありました。あまり度々使いたいものではないですね。

メタルコンセントとヒューズホルダーはシャーシに付属していたものを、それ以外はギャレットオーディオ、バンテックエレクトロニクス、ヤフオク等で入手しました。

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4.CR類

CR類もトランス、真空管と同様音質にかなり大きく影響するパーツなので規格さえ合えばなんでもいいというわけにはいきません。ブランドの評価を参考に購入します。

電源のコンデンサーは東一のメタライズドフィルムコンデンサーに、中古のオイルコンをパラに入れることにします。悩ましいのは1619のフィラメントに入れる100µ50Vのコンデンサーですが手持ちのタンタルコンに35Vのものしかないので一応それを使用するつもりです。カップリングの0.1µはDEL RITMOを使う予定です。

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1619ppアンプの製作(1) -回路と部品集めー への8件のフィードバック

  1. 三浦雄一郎 より:

    はじめまして、九州福岡で自作を楽しんでおります。私も最近1619のアンプを製作中です。
    熱が凄く、二時間程度で熱だれします。
    どうしたものかと思案中です。

    • ntmanbp6 より:

      自分の趣味として自己流でやっていますので何回作っても何が起こるか予想できません。私の方はトランスの配置が悪かったのか、誘導ハムか、寄生発振か何かのようなものに悩まされて完成には至っておりません。真空管自体はかなり熱くなるようですが連続運転していないので何とも言えませんが、私の方も熱対策として、放熱フィンを付けようかと思いましたが高すぎて手がでません。後はシャーシに穴を開けるか、ファンを付けるかぐらいですか。

  2. 三浦雄一郎 より:

    回路図を拝見しました。
    三結でしたら、1619のG2からPへの間に 発振防止の100Ωを挿入するのがよくある手段の様です。
    また、1619のG1の前に 1KΩ程度の抵抗を入れると収まる場合もあるようです。
    (6080-PP を作ったときはGの前に 7KΩを挿入しないと発振が止まりませんでした。)
    参考になると幸いです。

    • ntmanbp6 より:

      色々参考になるアドバイスありがとうございます。すでに発振止めにP-G2間に100Ω、Gに3.3kΩ入れているのですが効果がありません。もう少しGの抵抗を増やしてみます。あと考えているのはチョークコイルをタムラのケース入りに変えてみようと思っています。(これは誘導ハム対策)

  3. 三浦雄一郎 より:

    昨夜、5AN8-前段差動-1619 cspp がひとまず完成しました。試聴しながらNFの調整を予定しています。csppのカソード帰還のせいか音の広がりは試作ppより今一つですが、音の纏まりや表現力は素晴らしいです。
    1619は良い球ですね~不人気なのがしんじられません。最高のコストパフォーマンスではないでしょうか?

  4. TATRA 813 より:

    既に、3年も前の記事ですが、中々、製作作品の進展が興味深く、面白く拝見しました。
    実は、偶々、ネットサーフにて貴ブログを拝見し、投稿に至りました。

    さて、偶々、1619ですけど、この球は丁度、出始めの頃に関わりました。
    何せ、直熱管ですので、メタル管と言う点でやや不人気かとは思いますが、弄れば弄る程、味のある球です。

    三浦様が、熱を懸念されてますが、ガラス管とは違い金属管ですし、動作中の管壁は数百度になりますので、触れば火傷します。
    ゆえ、新品の管は暫く、発熱で管壁に塗布されている塗料の匂いが、熱で香る為に香りを味わいながら音楽に浸ると言うのが、謳い文句でした。

    そう、香は管のブランドにより多少の差がありまして、コーヒーの香りから醤油を焦がした様な香りまで様々でした。

    尚、この管はガラス管より鳴きによる音質変化は大きく、所謂、球の動作(バイアスの加減等)で、かなりサウンドは変容しますので、是非、丹念に最適ポイントを探されたらと思います。

    それと、この管のグリッドリークは47KΩと記載されてます。
    良く暫く使用している内に、ノイズの様な症状が出てくる場合に、この抵抗値が影響している場合もありまして、抵抗値を下げる事で治ったと言う事例もあります。

    まあ、送信管ですので、かなり丈夫ですが、この辺は基本スペックですので守られた方が安全です。
    但し、耐電圧(SG電圧を多少、高めでも結構、大丈夫の様ですよ。)も、管全ても問題ですが、割と昔は安価で豊富にありましたので、無茶もしました。

    本来、AB2級で使いますと、面目一新され、30Wオーバーの出力が得られます。
    まあ、6V6級の球には考えられない実力を秘めていますね。

    以上、長文、大変、失礼しました。

    • ntmanbp6 より:

      かなり古い記事にも拘わらず貴重なコメントをいただきありがとうございます。1619の
      3結プッシュプルアンプはその後内容的に追求できておりません。今後の予定としては
      4極ビーム接続の場合や思い切って出力トランスを換えてパラレルシングルの場合など
      どんな音がするのか試してみたいと思っておりますがなかなか実行できずにいるのが
      現状です。

      • TATRA 813 より:

        返信、有り難うございました。

        3結は、ロードがブロードですので、成功し易く音質的にも中々、良いですね。
        まあ、6L6のメタルと比べても肌触りは1619の方が、ずっと繊細ですし力感もあります。

        送信管特有の、入力消化能力は高い様ですし、まあ、6L6もAB2動作はありますけど、1619こそAB2で真価を発揮する様にも思いますね。

        ゆえ、多極管動作も可能性を秘めた動作で、面白く興味は尽きません。
        A/AB1クラス辺りの動作とする場合、どうしてもロードは高めになりますが、まあ、パラ動作でこの辺は解決します。

        まあ、お時間が御座いましたら、是非、お試し下さい。

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