アンプ作りで製作よりも厳しくつらいのは、調整です。このプリアンプも例外でなくちょっと苦労しました。まずRIAAカーブとの偏差が20Hz~20kHzで±1dB以内に収まっているかどうかの計測をしました。やはり両chで低域と高域の両端の部分で少し-1dB以下に減衰していました。今回はカソードのパスコンの不良ではなくEQ素子の容量の誤差から来るものとして考え、1600pFの内の1000pFのスチコンを予備のものと交換し、5600pFに100pFを追加しました。
結果20Hz~20kHzで±1dB以内に収まってくれました。その時点でまだ音質的に満足できない部分があったので、真空管を色々交換しながら聴いていきました。最終的に選択したものは、左右の初段管にはMullard(当然中古)、カソフォロ段にはTELEFUNKEN(◇マークなし)のECC83でした。1kHzの歪率は結構優秀ではないかと思います。
最後にフロントパネルに少しお化粧を加えました。点線が波打っているのはあえてそのままにしています。